BreakbeatHardcore,HappyHardcore,Jungle in 90's

DIG@BOOKOFFでtomad氏が「どうしようもないハッピーハードコアを聞く」と題してHappyhardcore黎明期の楽曲を紹介していたので、日曜朝も早くから(午前5:00)僕も記事を書きたくなってしまった。

93年~95年あたりのHappyHardcoreを今聴けば、むしろこれはGabbaだろうとか、これはJungleだろとか今のジャンルに当てはめることが出来る。実際youtubeではDnB,Jungle,Breakbeat,Hardcoreなど複数のジャンルのタグがつけられていたりする。今回は当時のそのクロスオーバーさをKniteForceを例にとって紹介します。
Luna C - Insanity Clause(1993)

1993年KniteForceの1番。女性Vocal,ピアノリフ,MCのループといった上物を用いたBreakbeatというHappyHardcoreの原型がある。この路線を続けてそのままHappyHardcoreのレーベルとして活動するかと思いきや、翌年94年の10番で面白い曲が出る。
Trip - The Erb(1994)

揺れるベース、フィルイン、Vo.サンプルといったJungleの要素が強い。特筆すべきはブレイクのシンプルさで、パッドもリフもなく、DanceHallのビートに戻し、次の展開に用いるVoを提示するだけのシンプルな構成で、初期Happyhardcoreと
してのBreakbeatHardcoreというよりはJungleの系譜に入れられておかしくない曲だ。
1994年にリリースされたJungleFashionRecordsの1番と比較してみると、KniteForceのJungleに対する強い意識がわかる。
Top Cat - Bunn The Sensi [Dub Hustlers Remix]

80年代末からイギリスのHipHop,Reggaeシーンで活動していたREBELMCがUKで新たなRebelMusicとしてJungleを掲げてCongonattyを立ち上げたのが1994年。

そしてThe ErbのB面の曲。
Adrian H & The Criminal - Little Tap On The Shoulder

A面ほどベースが揺れず、ピアノリフとスタブ、ピッチを上げたVoなどHappyHardcoreの要素が強くて、HappyHardcoreの系譜を紡ぐ楽曲といえる。

このようにA面がJungle,B面がHappyHardcore(BreakbeatHardcore)というレコードリリースは今では考えられないが、Rotterdomtechno,HardcoreTechnoなどのRavemusicがTechno,Houseから分化し、更にその音を先鋭化させていく過程を示している。
そしてそれはD'n'B,Dubstep,Grime,HIPHOP,Bassline,Breaksなどの相互にRemixをB面に収録している現在のBass音楽の文化にも同様のことが見られるように感じる。